夏に気をつけたい食中毒
魚介類に寄生する寄生虫
アニサキス
監修・取材協力:磯村医院 院長
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- サバやアジ、イワシなどの魚介類に寄生するアニサキスの幼虫が原因の食中毒です。
- アニサキス幼虫が寄生している魚介類を生で食べることで食中毒を引き起こします。
- 魚を食べる際は鮮度のよいものを選び、加熱することが有効です。
- アニサキスの基礎知識
- アニサキスの症状
- アニサキスの原因
- アニサキスの検査方法
- アニサキスの治療方法
- アニサキスの自宅療法(療養方法、再発防止など)
- アニサキスの予防・対策方法
- アニサキスのリスクチェック
- アニサキスのセルフチェック

アニサキスの基礎知識
寄生虫の一種で、長さ2~3㎝、幅0.5~1mmくらいの白色をした糸のような虫。サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。症例の多くは、食後数時間から十数時間後に強い上腹部の痛み、嘔気、嘔吐などの症状が出る急性胃アニサキス症です。
アニサキスの近年の動向
近年、アニサキスによる食中毒の発生件数が増加傾向にあります。
厚生労働省が発表している食中毒統計資料によると、平成28年度に126人だった患者数が、平成30年には478人と約3.7倍に増えています。

アニサキスの症状
急性胃アニサキス症では、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐などの症状が起こります。急性腸アニサキス症は、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。
アニサキスの原因
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生や、加熱が不十分な状態で食べることで、 アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
アニサキスの検査方法
血清反応でアニサキスの有無を診断する血液検査、胃や腸内を直接見てアニサキスの有無を調べる内視鏡検査などがあります。
アニサキスの治療方法
初期であれば内視鏡で虫体を摘出します。
アニサキスの自宅療法(療養方法、再発防止など)
ぬるま湯や半分程度に薄めたスポーツドリンクなどを少しずつ飲み、脱水を防ぎます。
アニサキスの予防・対策方法
魚を購入する際は、新鮮な魚を選ぶようにしましょう。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。目視で見える場合は、アニサキス幼虫を除去してください。
アニサキスのリスクチェック
□ 5歳以下の乳幼児または高齢者
□ 生魚を好む。
アニサキスのセルフチェック
予防・対策はしっかりできていますか?
□ 魚を購入する際は鮮度がいいもの選ぶようにしている。□ 魚の鮮度などをじっくり目で見て確認している。
□ 購入した魚はすぐに冷蔵庫に入れて保管している。
下記のような症状はありますか?
□ みぞおちの激しい痛み□ 悪心
□ 嘔吐