風邪・感染症
肌を露出することが多い夏は接触に注意
水いぼ
監修・取材協力:日本小児科学会認定小児科
専門医・日本アレルギー学会認定専門医
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- 皮膚にいぼが少量、または感染が広がると多数みられます。
- 肌と肌の接触で他の人へ感染します。
- プールに入っただけでは感染しません。
- 1〜2年で自然治癒します。
- 自然治癒するのを待つか、水いぼをとるか皮膚科医と相談します。
水いぼの基礎知識
小児に多くみられ、プールに入っただけではうつりませんが、水いぼができている人と直接、肌が触れ合ったり、タオルなどを共用したりすると感染しやすくなります。特に肌を露出することが多い夏は肌を掻きやすく、子どもたち同士のふれあう機会が多いため、感染しやすくなります。治療法は自然治癒を待つか、水いぼをとる処置をします。
水いぼの症状
皮膚に、水っぽい光沢があるいぼ状の出っ張りができます。中には白い塊が見えますが、これはモルスクム小体というウイルスが変性した表紙組織です。ジュクジュクすることもあります。
掻いてつぶれたり、脱落したものが他の皮膚にふれると、その場所から他の皮膚の場所へと拡がり、本人に水いぼの数が増えることが多くあります。自然に治りますが、1〜2年ほどかかります。
水いぼの原因
ポックスウイルスの感染症でうつります。
感染経路は直接、肌にふれあうことによる接触感染、または、すでに水いぼができている人が使用したタオル、ビート板、浮き輪などから感染することもあります。
水いぼの治療方法
1〜2年かかりますが、自然に治るので何もせず
ジュクジュクしている場合は皮膚科専門医が専用器具やピンセットなどを用い、中の白い塊を取り出す、または液体窒素を用いて、水いぼを冷凍凝固させます。ただし、水いぼを取る時に痛みを伴うので、子どもの場合は水いぼの数が少ないうちにとる判断をするか、局所麻酔入りのクリームやテープを貼ってから取るなどの対策をすることがあります。
ステロイドを塗ると水いぼが増えるため、アトピー性皮膚炎などの治療を行っている人は注意が必要です。
いずれにせよ、水いぼの状態や本人の状況、周囲の環境をみながら、皮膚科専門医と患者さんで相談をして治療方法を選択します。
水いぼの合併症
アトピー性皮膚炎が悪化することがあります。
水いぼの自宅療法(療養方法、再発防止など)
水いぼを触ったり、掻いたりしないよう、できるだけふれないようにしましょう。プールに入っただけでは感染しないので、プールに入ることはできます。ただし、タオルやビート板、浮き輪は共用しないようにします。プールの後はシャワーで清潔を保ちます。
水いぼの予防・対策方法
保湿とスキンケアを行います。兄弟や身近な人に感染した人がいる場合は肌と肌が触れ合わないように気をつけ、タオルの共用はしないようにしましょう。
また、アトピー性皮膚炎のお子さんはいったん感染すると湿疹を掻いて拡がりやすくなるので、水いぼの発生が見られたら、すみやかに皮膚科専門医に相談をしましょう。
水いぼリスクチェック
□ 7歳以下の幼児。
□ 肌の露出が多い。
□ プール活動が始まった。
□ 皮膚に湿疹がある。
水いぼのセルフチェック
予防・対策はしっかりできていますか?
□ 保湿ケア、スキンケアをしている。□ タオルは共用していない。
□ 水いぼができている時は周囲に広がらないよう、肌と肌との触れ合わないようにするなど、気をつける。
下記のような症状はありますか?
□ 中に白い塊が見える、光沢のあるいぼができている。□ いぼがいくつもできている。