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地域一体で患者を治療・サポート
地域がん診療連携

監修・取材協力:岐阜市民病院がん相談員
服部佳朗/仲田明子相談員プロフィールへ

服部佳朗/仲田明子

Medical.T 編集部 M.Imase

日本全国どこにいても、質の高いがん医療を提供できるよう設置されているのが「がん診療連携拠点病院」です。その仕組みや支援内容を理解し、がん治療に対する不安を和らげましょう。

地域がん診療連携-基礎知識

「がん診療連携拠点病院」とは、全国どこにいても質の高いがん医療が提供できるよう指定された病院です。現在、全国393か所の病院が指定されています(令和元年7月1日時点)。
岐阜市民病院は、岐阜県のがん診療連携拠点病院のひとつで、平成17年1月以降その役割を担っています。
近年、がん患者は増加傾向にあるものの、検査技術や治療技術の進歩によって生存率は向上しています。部位によっては治る病気と言えるほど。とくに前立腺がんや乳がんは生存率が高い傾向にあります。
高度ながん治療を行うがん診療連携拠点病院ですが、一施設で地域のがん患者すべてを診ることはできません。より多くの患者の治療にあたるためには地域の医療 機関との連携が不可欠です。そこで役立つのが、患者・がん診療連携拠点病院・地域のかかりつけ医をつなぐ治療計画書「がん地域連携パス」です。地域一体となって患者の経過観察を行っていくための共通パスとして利用されています。
がん診療連携拠点病院には、がん患者やその家族が利用できるがん相談支援センターが設けられています。がんに関わる医療・生活全般、副作用や心配事、治療費などについての相談に対し、研修を受けたスタッフが対応。がん診療連携 拠点病院に通院中の人以外でも相談可能です。
ほかにも岐阜市民病院には患者同士の憩いの場として「がん患者サロンやすらぎ」があります。病院の待ち時間や「ちょっと寄ってみた」といった利用の仕方もOK。週に1回はがん経験者(ピアサ ポーター)も来所しており、経験者ならではのお話が聞けます。さらに、がん患者への就労支援や就労継続に関する相談に力を入れており、専門家による院内相談会も開催しています。
がんは、年齢や性別問わず誰もがかかる可能性のある病気。早期発見、早期治療が大切なのはもちろんですが、治療中や治療後の生活も大切です。がんに関する悩みや不安は、がん診療連携拠点病院で相談してみませんか。話すことで不安が和らぎ、悩みの解決にもつながるはずです。

地域がん診療連携

地域がん診療連携-近年の動向

近年、治療技術の進歩により、がん患者の生存率は増加傾向にあります。数からも分かるように、部位によってはほとんどの人が5年以上生存できます。また、入院期間は年々短縮傾向にあり、一般病床の入院期間で言えば2週間以内の場合が多くなっています。

地域がん診療連携

地域がん診療連携-治療法

かかりつけ医からの紹介で、がん診療連携拠点病院を受診。適切な治療を行った上で、治療後の経過観察などはかかりつけ医が中心になって行います。その際に役立つのが「がん地域連携パス」です。
がん治療に関して、かつては開腹手術や入院を伴う抗がん剤治療が主流でした。ところが現在では、開腹・腹腔鏡・内視鏡などから病状に合わせた手術方法が選択されています。通院で薬物治療や放射線治療を行うケースも増えています。

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