夏に気をつけたい食中毒

人の皮膚の傷口などに繁殖
黄色ブドウ球菌

監修・取材協力:磯村医院 院長
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磯村 豊司

Medical.T 編集部 M.Imase

  • 人の手の傷口や化膿巣に繁殖する細菌です。
  • おにぎりや弁当などが原因食品となることが多いです。
  • 嘔吐や下痢、腹痛などを伴います。

黄色ブドウ球菌による食中毒の基礎知識

健康な人でものどや鼻の中などに高確率で検出される、身近な細菌。食べ物の中で増殖するときに毒素をつくり、その毒素と食品を一緒に食べることで食中毒を引き起こします。潜伏期間は1時間~3時間、激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などを伴います。

黄色ブドウ球菌による食中毒の症状

潜伏期間は1時間~3時間。激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などの症状がみられます。一般的に発熱はしません。

黄色ブドウ球菌による食中毒の原因

調理する人の手を介して、食品が菌に汚染されることでそれを食べた人が食中毒を引き起こします。特におにぎりやサンドイッチ、お弁当など素手で扱うことの多い手作り食品には注意が必要です。

黄色ブドウ球菌による食中毒の治療方法

特別な治療法はなく、脱水予防の点滴と対症療法で経過を観察します。1日か2日後で自然に回復します。

黄色ブドウ球菌による食中毒の自宅療法(療養方法、再発防止など)

ぬるま湯や半分程度に薄めたスポーツドリンクなどを少しずつ飲み、脱水を防ぎます。

黄色ブドウ球菌による食中毒の予防・対策方法

手指の洗浄と、調理器具の洗浄殺菌を十分に行います。また、手指に傷がある、手荒れなどがある場合は直接食品に触れないようにしましょう。おにぎりなどを作る際は直接触れず、ラップなどで包むようにしましょう。食品の低温保存も有効です。

黄色ブドウ球菌による食中毒のリスクチェック

□ 5歳以下の乳幼児または高齢者
□ 普段から集団生活をしている。
□ 生肉を好む。

黄色ブドウ球菌による食中毒のセルフチェック

予防・対策はしっかりできていますか?

□ 手指に切り傷や化膿巣があるときは、直接素手で調理しないようにしている。
□ おにぎりやサンドイッチを作る際はラップやナイロン手袋などを使用している。
□ 手指の洗浄、消毒を十分に行っている。
□ 食品は10℃以下で低温保存している。

下記のような症状はありますか?

□ 下痢
□ 腹痛
□ 吐き気・嘔吐

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