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早期治療で、つらい痛みを少しでも楽に!
膝関節のはなし
監修・取材協力:森整形外科リハビリクリニック理事長/院長
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[膝関節のはなし]CONTENTS
膝関節のはなし-基礎知識
関節を保護している軟骨は、関節を動かす際に衝撃を緩和するクッションの役目を持っています。軟骨には耐久性がありますが、40歳くらいから歳を重ねるにつれ、擦り減っていきます。擦り減ってしまうと、削れた軟骨の破片により炎症が起きたり、安定が悪くなることで痛みが生じます。特に膝は、全身の体重を支える場所になるため、負担が大きい部位になります。痛みを放置しておくと、痛みが慢性化して治まりにくくなるため、早期治療が大切となります。
膝関節の病気としては、変形性膝関節症や、特発性大腿骨内顆骨壊死(とくはつせいだいたいこつないかこつえし)、結晶誘発性関節炎など、さまざまあります。自身でできる関節痛の対処法としては、適度な有酸素運動や膝を支える筋肉を鍛えて、支えを強くするなどが有効です。炎症がある場合は炎症を抑えて痛みを取り除きます。また、軟骨の性質は個々で違っており、擦り減りやすいタイプの人がいるようです。また、ヒアルロン酸製剤を関節の中に注入して軟骨を保護することで、擦り減りを減らすことも期待されます。
さらに、最先端医療ではヒトの自然治癒力を利用した「PRP(多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう))療法」や「APS(自己タンパク質溶液)療法」などの新たな治療法も出現し、手術以外の選択肢が増えてきました。しかし、どの治療法も、関節症が進み、重度の手術が対象となるような状態では効果が厳しくなります。関節のきしむ音や違和感が続いたら、関節の病気の予兆、早期発見への警鐘と考え、早めに専門医に相談しましょう。
膝関節のはなし-近年の動向
グラフからも一目瞭然に、女性の方が有病率が高いことがわかります。一般的に男性よりも筋力が少ない女性は、膝に負担がかかりやすく、40歳くらいからはホルモンの低下や閉経などによって、軟骨が減りやすいためとされています。変形は長時間掛けて、ゆっくり進むため実際には、診断されるよりも早くから始まっていると言われています。
膝関節のはなし-病名と症状
歩行や動作時に膝が痛む
変形性膝関節症
中高年の女性に発生することが多く、加齢や体重などの影響から膝の軟骨が擦り減り、安定が悪くなったり、骨と骨が直接擦れあったりすることで、膝に強い痛みが生じるようになります。症状が進行すると歩行が困難になる場合もあります。靱帯や半月板損傷・骨折などの外傷、化膿性関節炎などの感染による後遺症として発症することもあります。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読む安静時も夜間も激しい痛みが続く
特発性大腿骨内顆骨壊死
症状は変形性膝関節症とよく似ていますが、初期段階で、安静時や夜間時に痛みが強いことが特徴になります。主に体重の負担がかかりやすい大腿骨の内顆(ないか)という場所で骨が壊死してしまう病気で、60歳以上の中高年の女性に発症しやすいようです。最近では外傷の一種であると考えられています。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読む突然、激痛発作が!
結晶誘発性関節炎
関節内に結晶が析出沈着して引き起こされる炎症のことで、痛風や偽性痛風などがあります。痛風は尿酸結晶によって起こり、偽痛風は主にピロリン酸カルシウムの結晶が原因となります。何の前兆もなく、突然的に起こり、関節や関節周囲が赤く腫れ、動かせないほどの急性炎症を起こします。時には発熱などの全身症状を伴うこともあります。痛風は男性が多いのですが、偽痛風は女性にやや多く発症します。%は5歳までに自然軽快すると言われています。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読む関節症の医療最前線!!
PRP(多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう))療法
自分の血液中に含まれる血小板の組織修復能力を利用した安全性の高い再生医療。
●APS(自己タンパク質溶液)療法=次世代PRP
PRP内の炎症を抑える良いタンパク質の効果を利用した、関節痛に特化した再生医療。
要注意!変形性膝関節症になりやすい人
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女性:男性の1.5~2倍程、発症しやすい。
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高齢:関節の劣化や機能低下により起こりやすい
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肥満:膝に負担がかかるため、発症しやすい。
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O脚:膝の内側に大きく負担がかかるため、軟骨が減りやすい。
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激しいスポーツをしていた・している人:膝関節に大きな負担がある。
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運動をしていない人:膝の筋力が落ちている。
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膝をケガしたことがある人:症状が出やすい。
変形性膝関節症かも! セルフチェック
□立ち上がりや歩き始める時に痛い
□正座がしにくい
□膝の曲げ伸ばしをすると痛む
□階段の上り下りの時に痛い
□膝の内側を押すと痛い
□膝を動かすとギジギジ音がする
□30分以上歩くと膝が痛い
※当てはまる症状がある場合は初期症状の可能性大!