夏の健康トラブル

まずは冷やすことが大切
打撲・捻挫

監修・取材協力:日本赤十字社岐阜県支部
赤十字救急法指導員
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赤十字救急法指導員 猿渡 達彦

Medical.T 編集部 M.Imase

  • 打撲や捻挫をした場合はすぐに冷やして安静にします。
  • 頭部や胸、腹の打撲や歩けないほど痛む捻挫の場合はすぐに医療機関を受診します。
  • スポーツをする前後にはストレッチを行い怪我を防ぎましょう。

打撲・捻挫-基礎知識

スポーツ時によく起こる怪我が打撲や捻挫です。転倒や衝突などの強い衝撃により、皮下組織や筋肉などが損傷されることを打撲といいます。外に見える傷がない場合でも、内部に損傷を伴う場合もあるので注意が必要です。特に頭、胸、腹の打撲は、内臓損傷や内出血を伴い、痛みや貧血、全身状態の悪化を起こすことがあります。
また、正常な運動範囲を超えて力が加わったために、関節が外れかかって戻ったものを捻挫と言います。関節周囲の靭帯、筋、腱、血管の損傷があります。足首、手足、指、膝などで生じます。

打撲・捻挫の症状

・打撲
腫れや熱感があり、皮膚が青紫色に変色している場合は内出血を起こしている可能性があります。直後よりもしばらく時間が経ってから痛みが強くなります。軽い打撲であれば1~2週間程度で腫れと痛みがおさまります。
・捻挫
腫れや皮膚の変色、痛み、特に触ったときに痛みを感じやすいです。X線で調べないと骨折と区別しにくく、小さな骨折を伴っていることもあります。

打撲・捻挫の原因

転倒したとき、ものにぶつかったとき、スポーツをしているとき、ふざけあっているときなどに起こりやすいです。

打撲・捻挫の応急処置

冷水、または氷のうで患部を冷やし安静にします。それでもひどい症状が続くようであれば医師の診察を受けましょう。直後には、動かしたり温めたりすると内出血や腫れがひどくなるので注意します。
捻挫をはじめ、肉離れ、突き指などのスポーツ外傷を起こした直後の応急処置としては、RICE法が基本と言われています。

R=REST(安静)
I=ICE(冷やす)
C=COMPRESSION(圧迫)
E=ELEVATION(挙上)

患部の内出血や腫れ、疼痛を防ぐことを目的に、患肢や患部を安静(Rest)にし、氷などで冷却(Icing)するとともに、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、ケガをした足や手を挙上(Elevation)する方法です。

打撲・捻挫の検査方法

受傷時の状態(関節がどのようになってケガをしたか)などの問診および触診を行います。

打撲・捻挫の自宅療法(療養方法、再発防止など)

安静にしましょう。安静に過ごして1~2週間たっても痛みが治まらない場合は医療機関を受診しましょう。捻挫の再発を防ぐためにはリハビリテーションが有効です。

打撲・捻挫の予防・対策方法

普段からトレーニングを行うことで、関節をサポートする筋肉を強化しておくことが大切です。また、スポーツの前後にはストレッチをする習慣をつけましょう。関節の柔軟性を高めることで、怪我の予防につながります。

打撲・捻挫のリスクチェック

□ 激しいスポーツを好む
□ 日ごろから運動不足気味である
□ スポーツ前後にストレッチをしていない

打撲・捻挫のセルフチェック

予防・対策はしっかりできていますか?

□ 日常的に運動を行っている
□ スポーツの前後にはストレッチを行っている

下記のような症状はありますか?

□ 頭に打撲を受け、痛み、吐き気やめまいなどがある
□ 胸に打撲を受け、呼吸が困難
□ 腹部に打撲を受け、強い痛みや吐き気がある
□ 捻挫による腫れがひどく、歩けないほど痛む
□ 関節がグラグラして不安定

出典:赤十字救急法講習教本(14版)

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