呼吸器の病気
原因は室内のカビ
夏型過敏性肺炎
監修・取材協力:日本内科学会総合内科専門医
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- 高温多湿になる6~10月に多いアレルギー疾患
- カビの一種トリコスポロンが主な原因
- 風邪に似た乾いたせき、発熱、息切れが主な症状
- 抗原を離れると症状が治まる
- 慢性化すると呼吸困難や肺機能の低下などを引き起こす可能性も
- 夏型過敏性肺炎の基礎知識
- 夏型過敏性肺炎の症状
- 夏型過敏性肺炎の原因
- 夏型過敏性肺炎の検査方法
- 夏型過敏性肺炎の治療方法
- 夏型過敏性肺炎の合併症
- 夏型過敏性肺炎の自宅療法(療養方法、再発防止など)
- 夏型過敏性肺炎の予防・対策方法
- 夏型過敏性肺炎のリスクチェック
- 夏型過敏性肺炎のセルフチェック

夏型過敏性肺炎の基礎知識
夏に急増する季節性のアレルギー疾患で、過敏性肺炎の約70%を占めます。主な原因はトリコスポロンという室内で増殖するカビの一種。発症すると胞子を吸い込むたびにせきや発熱などの症状が繰り返し起こります。原因が自宅のカビであれば、自宅を離れると症状が治まることが多いのも特徴です。
夏型過敏性肺炎の症状
乾いたせき、発熱、息切れ
夏型過敏性肺炎の原因
トリコスポロンという室内で増殖するカビの一種が主な原因。トリコスポロンが好むのは、キッチンやバスルーム、脱衣所、トイレ、洗濯機置き場など高温多湿の環境。エアコンの内部や窓の結露が発生の原因となる場合も。
夏型過敏性肺炎の検査方法
胸部X線および高分解能CT、肺機能検査、気管支鏡による気管支肺胞洗浄や肺生検による組織学的検査、血清学的検査にて調べます。
夏型過敏性肺炎の治療方法
軽度であれば症状に対するお薬を処方します。原因となるカビを吸い込まなければ症状は現れないため、自宅や職場など抗原から離れることが一番の治療になります。
夏型過敏性肺炎の合併症
慢性化すると呼吸困難や肺機能の低下など、重大な疾患につながる可能性があります。
夏型過敏性肺炎の自宅療法(療養方法、再発防止など)
殺菌消毒だけでは再発する恐れがあるため、できるのであれば、畳の張り替え、防カビ工事、家具の買い替え、引越しなどでカビを完全に除去するのがおすすめ。
夏型過敏性肺炎の予防・対策方法
温度20℃以上、湿度60%以上の高温多湿の場所を好むため、こまめな換気やクリーニングなどでカビを発生させない環境づくりを心がけましょう。慢性化し肺機能が低下すると、カビが発生していない場所でもせきや息切れなどの症状が出る場合もあります。毎年夏になると風邪の症状が見られる人は、一度診断を仰ぎましょう。
夏型過敏性肺炎のリスクチェック
□ 室内の通気性が良くない
□ アレルギー体質
□ 自宅にカビ・結露が発生している
夏型過敏性肺炎のセルフチェック
予防・対策はしっかりできていますか?
□ 室内の掃除・換気をこまめに行う□ キッチン・バスルーム・脱衣所・トイレ・洗濯機置き場・畳の下などはカビが発生しやすいので注意!
□ エアコンや除湿器のフィルターを定期的に掃除する
□ 風通しの良い家具の配置を考える
□ カビが発生した場合は、カビ取り剤や消毒用アルコールを用いて増殖しないようにする
下記のような症状はありますか?
□ せきが3週間以上続く□ 特定の場所でせきが出る
□ 特定の場所で息苦しさやだるさを感じる
□ 毎年夏になると風邪の症状が見られる