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正常な血液がつくられなくなる
血液の病気
監修・取材協力:日本血液学会専門医、日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医 西大須 伊藤内科・血液内科 院長
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[血液の病気]CONTENTS
血液の病気-基礎知識
血液中には酸素を運ぶ赤血球、出血を止める働きがある血小板、免疫をつかさどる白血球やリンパ球などの血液細胞があります。それぞれ体を維持するために大切な役割を担っています。これらの細胞に何らかの異常が現れて、正常な血液がつくられなくなる血液の病気は多くありますが、一番身近な症状としてあげられるのが貧血。女性に多いと言われるだけに、男性は無縁だと思われがちですが、貧血は悪性疾患の初期症状にも当てはまり、深刻な病気が隠れている場合もあります。“疲れ”“歳のせい”“いつものこと”と思わず、医療機関で診断を仰ぎましょう。
血液の病気-出やすい症状
病気の種類により症状は異なりますが、血液の病気における主な症状として貧血があげられます。がんによっても貧血が引き起こされるため、貧血の原因を調べるうちに大腸がんや胃がんが見つかったと言うケースも少なくありません。
血液の病気-注意した方がよい人
□ 貧血の症状が見られる
□ 出血しやすい、出血がいつまでも止まらない
□ 労作時に動機・息切れを感じる
□ 熱が下がらない
知っておきたい血液の病気
ヘモグロビン量の低下による酸欠状態
貧血
赤血球に含まれるヘモグロビンは、全身へ酸素を運ぶ役割があるため、その量が低下すると体内の各所が酸欠状態となり、顔色不良や、労作時の息切れ、動悸、立ちくらみなどの症状が現れます。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読むリンパ球ががん化する
悪性リンパ腫
本来は体を守る働きをする血液中のリンパ球が、異常増殖してがん化する病気。主にリンパ組織に発生しますが、胃や肺、甲状腺、肝臓、骨髄など体のあらゆる臓器に発生する場合もあります。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読むがん化した未熟な細胞が増殖
急性骨髄性白血病
赤血球・白血球・血小板などの血液細胞のもとになる、骨髄内の未熟な造血幹細胞ががん化して、正常な血液がつくられなくなる病気。貧血、感染に伴う発熱、出血、臓器障害などが主な症状。進行が速いため、ただちに適切な治療を受けることが大切。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読むがん化した細胞が分化・成熟して増殖
慢性骨髄性白血病
フィラデルフィア染色体という異常染色体が造血幹細胞に発生し、そこから分化・成熟した白血球が大量に増える病気。慢性期、移行期、急性転化期の3つに分けられます。進行するにつれて倦怠感、発熱、体重減少などが見られます。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読む形質細胞ががん化する
多発性骨髄腫
白血球のひとつB細胞が分化してできる形質細胞ががん化する病気。血液を十分につくれずに貧血になったり、骨がもろくなったりします。また、役立たずの抗体が増えることで臓器などの働きが損なわれます。
症状・原因・治療と予防法など詳しく読む血液の病気今すぐはじめる 予防と対策
【貧血予防に取り入れたい食材】
ビタミンCは鉄の吸収を促す作用があるため、鉄を効率よく吸収するためには、ビタミンCを多く含む食べ物を一緒に摂ると良いでしょう。
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●ヘム鉄を多く含む…
カツオ、イワシ、赤貝、レバー、牛肉、豚肉、鶏肉など -
●非ヘム鉄を多く含む…
あさり、カキ、ヒジキ、ほうれん草、小松菜、卵、大豆、豆腐など -
ビタミンCを多く含む…
ブロッコリー、キャベツ、じゃがいも、オレンジ、柿、いちごなど