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過剰摂取は命取り!身近な嗜好品などによる
急性中毒
監修・取材協力:岐阜県総合医療センター 救命救急センター長
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[急性中毒]CONTENTS
急性中毒-基礎知識
個々の通常の摂取範囲であれば何の問題もない物質でも、過剰摂取によって、突然発症する急性中毒。急性中毒とは、薬物や毒物などの化学物質の多量摂取や、通常の物質であっても過剰摂取によって中毒になり、急速に疾病状態になることを言います。
代表的なものとして、アルコールやニコチン、普通に薬局で購入できたり、病院でも処方される薬などがあげられ、近年は、若者を中心にカフェインによる急性中毒が問題視されています。カフェインを多く含む眠気防止飲料やエナジードリンクなどの清涼飲料水を過剰摂取することによって中毒になり、救急搬送される人が増加しています。
特にカフェインを含む食品は身の回りにたくさんあります。嗜好品としての珈琲や緑茶にもカフェインは多く含まれ、チョコレートなどにも入っています。カフェインが含まれたさまざまな飲料などの摂取が重なることで過剰摂取となって中毒になることがあるため、総カフェイン摂取量を意識して食品や飲料を選びましょう。
また、乳幼児の誤飲・誤食事故で最も多いのがタバコによるものであり、タバコ1本に含まれるニコチン量は、乳幼児の致死量に相当します。特に液体に浸した濡れタバコやその液体を誤飲した場合は、ニコチン濃度が上がり、重篤な症状になることがあります。
毎年、死亡者が出て、注意喚起をしても減らない身近なものによる急性中毒。知らないうちに適量を超えないように自己管理はもちろん、周囲の人間としても危険性を認識して注意するようにしましょう。
急性中毒-近年の動向
急性アルコール中毒においては、以前よりもイッキ飲みや無理な飲み方をする人が減ってはいるものの、救急搬送は増加傾向にあります。近年は、安易に救急車を呼ぶ人が増えたことで、救急搬送される人は増えていますが、症状は軽度であることが多いようです。
また、急性カフェイン中毒においては、近年増えている中毒であり、夜間労働者や受験生による過剰なエナジードリンク摂取や眠気防止薬の乱用などによって、中毒を起こすことが増えているようです。
急性中毒-病名と症状
自分の適量や体調に合った飲み方を。
急性アルコール中毒
お酒のイッキ飲みなど、短時間に大量のアルコールを摂取することによって起こる急性アルコール中毒。お酒に含まれるエチルアルコール(エタノール)を大量に摂取することで、血中アルコール濃度が上昇し、アルコールの脳を麻痺させる毒性によって起こります。危険なアルコール量を摂取することで、一気に脳へ麻痺が広がり、意識混濁、運動失調などの泥酔や昏睡状態に陥り、最悪の場合、呼吸や心配機能を停止させ、死に至る危険性もあります。
アルコール代謝量は個人差も大きく、体調や環境によっても変わりますが、とにかく、血中アルコール濃度を急激に上げないことが大切です。命に関わるため「イッキ飲みはしない・させない」ようにしましょう。
身近な飲料の過剰摂取で・・
急性カフェイン中毒
身近な飲料や食品、医薬品などに含まれているカフェイン。カフェインには眠気覚ましや集中力を高めるなど、中枢神経を刺激して覚醒する作用があります。カフェインの許容量は個人差がありますが、短時間に過剰摂取すると、吐き気や意識の低下、手足のしびれなどの中毒症状を発症し、重篤な症状に陥ることもあります。近年、問題視されているエナジードリンクによる急性カフェイン中毒では、死亡者も出ています。
健康な大人で1日の安全なカフェイン摂取量は、女性は300mg程度、男性は400mg程度とされています(個人差有)。眠気防止薬やエナジードリンクを飲む時は、必ず用法用量を守り、珈琲や市販の風邪薬などのカフェインを含むものとの併飲は気を付けましょう。
乳幼児のタバコ誤食に注意!!
急性ニコチン中毒
主にタバコの誤食やタバコを浸した液体の誤飲による事故によって、ニコチン中毒を発症します。紙巻タバコ1本にはニコチンが10~30mg含有しており、致死量としては、乳幼児が10~20mg、成人では40~60mgが致死量に値します。初期症状は誤食後15分から1時間以内に発症し、めまい、嘔吐、顔面蒼白、腹痛、下痢、錯乱などの症状、致死量の場合は全身けいれんや昏睡などの症状が生じます。また少量においても非喫煙者は重篤な症状が生じる場合があります。禁煙目的のニコチンパッチやニコチンガムの誤食よっても中毒は生じうるので、乳幼児のいる環境では、特に注意しましょう。
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