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アウトドア・レジャーで気をつけたい
夏の健康トラブル

監修・取材協力:日本赤十字社岐阜県支部
赤十字救急法指導員
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赤十字救急法指導員 猿渡 達彦

Medical.T 編集部 M.Imase

海、山、川など自然の中でレジャーを楽しむ機会も多くなる夏休みには、怪我や虫刺されなど、夏ならではのトラブルも多発しやすくなります。
いざというときに焦らなくていいよう、正しい応急処置について知っておきましょう。

夏の健康トラブル-基礎知識

海やプールでの水遊び、山や川でのバーベキューやキャンプ、花火など夏は屋外での遊びが増える季節です。それに伴い怪我や事故、トラブルなども多くなります。屋外で遊ぶ際は服装などに留意し、予防法や適切な応急処置を身に付けるとともに、気になる症状がみられる場合には速やかに医療機関を受診しましょう。
擦り傷、切り傷などの怪我をした際には、まずは流水で傷口をよく洗い流し、清潔を保ちましょう。そのあと傷口にガーゼを当てて手で圧迫したり、絆創膏や包帯などを使って止血しましょう。ただし、出血の量が多い場合は止血を最優先し、すぐに医療機関を受診しましょう。打撲や捻挫の場合はまずは患部を冷やしましょう。
調理品や花火などが原因の火傷は多くの場合防ぐことが可能です。熱いものや火を扱う場合は子どもから目を離さないようにしましょう。また、毒蛇やスズメバチ、アシナガバチやゴケグモなどの毒虫の被害も多くなります。山などへ行く際には長袖、長ズボン、手袋、靴下などを着用して肌の露出を少なくしたり、虫よけスプレーを使うなどして未然に被害を防ぐことが大切です。

夏の健康トラブル-注意した方がよい人

□山や海、川などへ出かける人
□激しいスポーツをする人
□花火やキャンプなどで火を扱う人
※誰もに起こりうるトラブルのため、一人ひとりが注意しましょう。

夏の健康トラブル-出やすい症状

擦り傷、切り傷では出血、打撲や捻挫では内出血、やけどでは腫れやヒリヒリとした痛み、毒蛇咬創・毒虫刺傷では、赤みや腫れ、痛みなどの症状が出ます。

夏の健康トラブル-考えられる病気

清潔を心掛けて細菌感染を防止
擦り傷・切り傷

出血が少ない場合は、速やかに水道水などの清潔な流水で、傷口の汚れを洗い流します。傷が深い場合には感染の危険が高いので、傷口に保護ガーゼを当て、包帯をして医師の診療を受けましょう。出血が多い場合には止血を優先します。

症状・原因・治療と予防法など詳しく読む

まずは冷やすことが大切
打撲・捻挫

打撲は転倒や衝突などの強い衝撃によって、皮下組織や筋肉などが損傷されること、捻挫は正常な運動範囲を超えて力が加わったために関節が外れかかって戻ったものです。いずれも患部を安静にし、冷水や氷のうなどで冷やしましょう。それでも痛みがひかない場合は医師の診察を受けましょう。

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火を扱う場合は特に注意を!
火傷

軽度の火傷で範囲が狭い場合は、冷たい水や水道水で痛みが取れるまで冷やします。水ぶくれができているときはつぶさないように、蛇口から勢いよく出ている水道水などを直接患部にあたることを避け、熱傷部を清潔な布で覆い、その上から冷やしながら医療機関へ向かいましょう。

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山へ行く際には服装などで対策
蛇咬創・虫刺傷へびこうそう・ちゅうししょう

毒蜂に刺されたら、針が残っている場合は根元から毛抜きで抜くか、払って落とし、冷湿布をしましょう。蜂毒にアレルギーがあるとアナフィラキシーショックを起こし、死に至ることもあります。また、マダニはSFTSウイルスを媒介する場合があり、発症すると発熱、嘔吐、下痢、頭痛、筋肉痛などの症状が表れます。

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夏の健康トラブル-応急処置

まずは各症状別の応急処置(セルフケア)で様子を見て、症状がよくならないようであれば医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。ただし大量出血や大やけどの場合は早急に医療機関を受診しましょう。

夏の健康トラブル今すぐはじめる 予防と対策

  • 衣類などで肌を覆う

  • 黒っぽい色の服を避け、帽子を被る

  • においの強い化粧品は避ける

  • 虫よけスプレーを使用する

  • 倒れた枯れ木、岩かげ、川や沼に近い草むらなどでの作業は特に注意する

アウトドアでの救急グッズ セルフチェック
忘れずに持って出かけよう!
□消毒液
□絆創膏
□綿ガーゼ
□除菌ジェル
□とげ抜き
□テープ包帯
□三角巾

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