夏に気をつけたい食中毒

鶏肉や卵に要注意
サルモネラ

監修・取材協力:磯村医院 院長
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磯村 豊司

Medical.T 編集部 M.Imase

  • 原因食品となりやすいのは鶏肉や卵など。
  • 潜伏期間は6時間から72時間。
  • 腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが主な症状です。
  • 予防策として肉や卵は75℃以上で1分以上加熱しましょう。
  • 免疫不全や免疫力の低下により、大人もうつることがあります。

サルモネラの基礎知識

汚染を受けた食品の摂取により起こる細菌性食中毒の一つです。原因食品には、鶏卵またはその加工品、鶏肉、うなぎやスッポンなどが挙げられます。また、ネズミやペット動物を介して食品が汚染される場合もあります。潜伏時間は6時間から72時間で、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが主な症状です。

サルモネラの症状

潜伏時間は6時間から72時間で、激しい腹痛や下痢、発熱、嘔吐などの症状が出ます。

サルモネラの原因

サルモネラ属菌は、鶏、豚、牛などの動物の腸管や河川、下水など自然界に広く分布しており、2,500種類以上もの血清型が知られています。汚染を受けた食品の摂取により起こり、高熱を発するのが特徴です。原因食品としては鶏卵、またはその加工品、食肉(牛レバー刺し、鶏肉)、うなぎ、スッポン、乾燥イカ菓子などが挙げられます。

サルモネラの検査方法

便のサンプルを採取し、検査室で細菌を増殖させる検査(培養検査)を行います。症状が重篤な場合には、追加で血液検査や尿検査なども行います。

サルモネラの治療方法

対症療法を中心に、脱水対策として点滴治療を行います。サルモネラ腸炎では抗生物質の使用も検討されます。抗生物質を使用するかどうかは、全身の状態や経過などによって異なるため、医師の指示を守りましょう。

サルモネラの合併症

新生児や乳児、免疫が低下した高齢者などの場合、敗血症、骨髄炎、膿瘍(化膿性の炎症で、組織が局部的に融解しうみがたまった状態)などの腸管外感染に進展することがあります。まれに化膿性髄膜炎、硬膜下膿瘍、脳膿瘍、脳症などの中枢神経感染症を合併します。

サルモネラの自宅療法(療養方法、再発防止など)

ぬるま湯や半分程度に薄めたスポーツドリンクなどを少しずつのみ、脱水を防ぎましょう。冷たすぎる水を一気飲みすることは避けましょう。

サルモネラの予防・対策方法

肉や卵は75℃以上で1分以上加熱します。卵や生肉は10℃以下(できれば4℃以下)の低温で管理し、卵を生で食べる場合は、新鮮なものだけにしておきましょう。
生肉調理後の器具や手指は十分に洗浄・消毒し、二次汚染を防止しましょう。

サルモネラのリスクチェック

□ 5歳以下の乳幼児または高齢者
□ 普段から集団生活をしている。
□ 生の食べ物(肉・卵など)を好む。
□ 生肉を触ることがある。

サルモネラのセルフチェック

予防・対策はしっかりできていますか?

□ 肉や卵は75℃以上で1分以上加熱している
□ 肉や卵は10℃以下(できれば4℃以下)の低温で保存管理している
□ 生肉調理後の器具や手指は十分に洗浄・消毒している

下記のような症状はありますか?

□ 激しい腹痛
□ 下痢
□ 発熱
□ 嘔吐

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