冬特有の病気

乳幼児に多い感染性胃腸炎。ワクチン接種で重症化を防止。
ロタウイルス感染症

監修・取材協力:すぎやま内科クリニック院長
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杉山正洋

Medical.T 編集部 M.Imase

  • 手指や食品を介して経口で感染します。
  • 24時間~48時間の潜伏期間のあと、吐き気や下痢、嘔吐などの症状があらわれます。
  • 感染力が非常に強いウイルスです。
  • 患者の嘔吐物や排泄物を処理する際には、次亜塩素酸ナトリウムを使用しましょう。

ロタウイルス感染症の基礎知識

6ヶ月~3歳の乳幼児に多く感染症です。48時間~72時間の潜伏期間についで嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれます。激しい嘔吐や下痢により脱水を起こしやすく、けいれん、肝炎などの合併症も認められます。感染力が非常に高く、100%予防することは難しいウイルスです。生後6週から接種できるワクチンがあるので、ぜひ受けるようにしましょう。

ロタウイルス感染症の症状

48時間~72時間の潜伏期間ののち、水のような嘔吐や下痢、発熱などの症状があらわれます。その後、重い脱水症状が数日間続くことがあります。

ロタウイルス感染症の検査方法

臨床症状や周囲の感染状況などから、総合的に判断され診療されることが多いですが、専用の検査キットもあります。ロタウイルス迅速診断検査は、ふん便中のロタウイルスを検出できるキットです。検査には健康保険が適用され、医師が必要と判断した場合に行われます。しかしながら、この検査ではロタウイルスに感染していても陽性とならない場合があります。

ロタウイルス感染症の原因

ロタウイルスが口から入ることで感染します。
ロタウイルスはロタウイルス感染者の便に大量に含まれており、患者の便を処理した手指から感染するケースが多いと言われています。

ロタウイルス感染症の治療方法

現在、ロタウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。治療は、脱水を防ぐための水分補給や栄養補給などの対症療法となります。
脱水がひどい場合は、医療機関での点滴治療が行われます。下痢止めは完治を遅らせる可能性があるため使用を控えましょう。

ロタウイルス感染症の合併症

けいれん、肝機能異常、脳症などが起こることがあり、最悪の場合死に至るケースもあります。意識低下やけいれんなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。

ロタウイルス感染症の自宅療法(療養方法、再発防止など)

水分をしっかりと補給しながら、安静に休養しましょう。

ロタウイルス感染症の予防・対策方法

ふん便の処理時に感染が拡大するケースが多いため、おむつの適切な処理と、手洗いを徹底します。
オムツを交換する際は、使い捨てゴム手袋などを使い、おむつはポリ袋などに入れて捨てましょう。手洗いは石けんと流水でしっかりと洗います。
衣類が便や吐物で汚れた場合は、ノロウイルス同様次亜塩素酸ナトリウムで付け置き消毒したあと、ほかの衣類と分けて洗濯しましょう。

ロタウイルスには有効なワクチンがあり、任意ですが予防接種を受けることができます。予防接種は乳児が対象で、2回接種のものと3回接種のものの2種類があります。いずれも生後6週から接種可能で、14週6日までの接種が推奨されています。重症化を防ぐためにも受けることをおすすめします。

ロタウイルス感染症のリスク度チェック

□乳児である
□集団生活をしている

ロタウイルス感染症のセルフチェック

□元気がなくぐったりしている
□水っぽいやや白い下痢便
□水のような嘔吐がある

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