冬の皮膚疾患
手足の指・かかとに起こりやすい
ひび・あかぎれ
監修・取材協力:ごきそ皮フ科クリニック 院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本レーザー医学会認定レーザー専門医
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- 乾燥すると皮膚の表面に亀裂ができるひび
- ひびが悪化して、赤く炎症し出血を伴うようになるあかぎれ
- 気温と湿度が低下する冬に起こりやすい
- 手足の末端が冷えて血の巡りが悪くなることも影響する
- 水仕事をする女性に多く見られる
- 美容師や調理師などにも多い
- ひび・あかぎれの基礎知識
- ひび・あかぎれの近年の動向
- ひび・あかぎれの症状
- ひび・あかぎれの検査方法
- ひび・あかぎれの原因
- ひび・あかぎれの治療方法
- ひび・あかぎれの自宅療法(療養方法、再発防止など)
- ひび・あかぎれの予防・対策方法
- ひび・あかぎれのリスクチェック
- ひび・あかぎれのセルフチェック
ひび・あかぎれの基礎知識
皮脂の分泌や発汗が少なく乾燥しやすい手や足。乾燥すると皮膚の表面に亀裂「ひび」ができ、ひびが悪化すると、赤く炎症し出血や痛みを伴う「あかぎれ」を引き起こします。冬、特に水仕事が多い女性によく見られます。一度亀裂が生じると、ますます手がかさつき、さらに亀裂を誘発させる可能性があります。
ひび・あかぎれの近年の動向
食中毒やインフルエンザの予防に、帰宅時の手洗いが以前にも増してしっかり行われるようになってきました。その分、手には乾燥しやすく、ひび・あかぎれに注意が必要です。手洗い後は、水分をしっかり拭き取り保湿をまめにするようにしましょう。
ひび・あかぎれの症状
手足の皮膚が乾燥しカサカサした状態が続くと、皮膚が硬くなり、皮膚表面の弾性力が耐えられず、線上の亀裂が入ってしまいます(ひび)。このひびが悪化して、肌表面のみならず、真皮層にまで亀裂が入り炎症を起こすと出血や痛みを伴うようになります(あかぎれ)。手指の腹、手の平、足の裏によく見られます。気が付かないうちに指の関節などがぱくっと割れていたというケースも少なくありません。
ひび・あかぎれの検査方法
視診により診断します。
ひび・あかぎれの原因
主な原因は乾燥。気温と湿度が低下する冬は、皮脂や汗の分泌が低下し皮膚の水分が失われて乾燥しやすくなり、ひび・あかぎれを引き起こします。また、手足の末端が冷えて血の巡りが悪くなると、皮膚の修復力が低下し、ひび・あかぎれになりやすいとも言われています。
ひび・あかぎれの治療方法
乾燥を防ぐ塗り薬や、炎症をおさえるステロイド外用薬などが処方されます。
ひび・あかぎれの自宅療法(療養方法、再発防止など)
こまめに保湿剤を塗り、悪化を防ぎましょう。仕事内容や自宅での水仕事など、ひび・あかぎれが起こる原因を見つけることが大切です。そのままの状態で水仕事を続けると悪化する場合があるため、保湿剤を塗るだけでなく、ゴム手袋を着用するなど工夫しましょう。
ひび・あかぎれの予防・対策方法
保湿剤やハンドクリームを使って、ハンドケアやフットケアに努めましょう。洗い物の際にお湯を使うことは肌の乾燥を招くため、ゴム手袋を着用するなど、負担を軽減する工夫をしましょう。その際にゴム手袋の内側に、綿手袋を着用するのもおすすめです。水仕事の後はすぐに手の水分をふき取り、こまめに保湿ケアをしましょう。キッチンや洗面所など、手を洗う場所にハンドクリームを常備しておくと便利です。手足が冷えないように厚手の手袋や靴下の使用や、バランスのとれた食生活も普段から意識しましょう。
ひび・あかぎれのリスクチェック
□ 水仕事が多い主婦
□ 医療関係者
□ もともと肌が乾燥しやすい人
□ 美容師
□ シェフや調理師
□ 手足が冷えやすい
ひび・あかぎれのセルフチェック
予防・対策はしっかりできていますか?
□ 保湿ケアを欠かさない□ 水仕事の際はゴム手袋を着用している
□ 加湿器を使用している
□ 厚手の手袋や靴下を着用し手足の冷えを防いでいる
下記のような症状はありますか?
□ 手足の肌がカサカサ□ 乾燥して皮膚が硬くなっている
□ 手指の腹、手の平、足の裏などに亀裂が入っている