冬の皮膚疾患

寒さや急激な温度変化で起こる
寒冷じんましん

監修・取材協力:ごきそ皮フ科クリニック 院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本レーザー医学会認定レーザー専門医
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蒲澤 ゆき

Medical.T 編集部 M.Ito

  • 寒さや冷たさ、急激な温度変化によって生じる
  • 症状はかゆみを伴った赤いブツブツやミミズ腫れ
  • 症状が出たら患部を温めて、冷やさないようにする
  • 防寒対策をしっかりし、急激な温度差を感じる環境は避ける

寒冷じんましんの基礎知識

寒さ・冷たさの刺激や、急激な温度変化によって生じるじんましん。かゆみを伴った赤いブツブツやミミズ腫れが出ます。冷たい外気にさらされる冬は特に患者数が増えます。

寒冷じんましんの近年の動向

時には、全身症状が現れ重症になる場合があります。慢性化して、痒みが繰り返す場合、放置せず皮膚科を受診してください。

寒冷じんましんの症状

通常のじんましんと同じく、かゆみを伴った赤いブツブツやミミズ腫れが皮膚に現れます。手の甲や頬から出始め、ひどくなると全身にかゆみや赤みが広がります。ピリピリ、チクチクと痛みを伴う場合もあります。かくのを我慢して患部を温めると、数分ほどで症状がおさまっていきます。じんましんは治療しないまま放置すると治りにくくなるとも言われています。症状が治まらないなど少しでも異常を感じたら皮膚科を受診しましょう。

寒冷じんましんの検査方法

視診により診断します。

寒冷じんましんの原因

現在のところ原因は解明されていませんが、屋外に出て急激に冷えた、冷たい水に触れた、自転車で冷たい風を浴びた、プールで全身が冷えたなど、寒さ・冷たさの刺激や、急激な温度変化を感じた時に、過剰なアレルギー反応を引き起こして発症すると考えられています。

寒冷じんましんの治療方法

一般的には、抗ヒスタミン剤を内服して経過を観察します。

寒冷じんましんの自宅療法(療養方法、再発防止など)

通常のじんましんの対処療法は患部を冷やすと有効な場合が多いですが、寒冷じんましんは患部を温めるなどして、皮膚が冷えないようにすることが有効です。

寒冷じんましんの予防・対策方法

冬の外出時は、手袋や防止、マフラー、耳あてなどを使って露出部位を少なくするなど防寒対策をしっかりしましょう。また、外出時はもちろん、入浴後や起床時など、急激な温度差を感じるような環境を避けることも大切です。冬は、スポーツで汗をかいた後に外気にさらされると急激に冷えるため、汗はすぐにふき取るように心がけましょう。

寒冷じんましんのリスクチェック

□ 寒がり
□ 入浴後に脱衣所が寒いと感じたことがある
□ 自転車で通勤・通学をしている
□ 汗をかきやすい

寒冷じんましんのセルフチェック

予防・対策はしっかりできていますか?

□ 防寒対策をしっかりしている
□ 手洗い後やスポーツ後は、水分をふき取るようにしている
□ 入浴後や起床時は体が冷えないように気を付けている

下記のような症状はありますか?

□ 寒さを感じた後にじんましんが出ている
□ 肌がかゆく赤いブツブツがある

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