糖尿病

遺伝子異常や他の病気、薬剤などで引き起こされる
その他の糖尿病

監修・取材協力:医療法人大河内会おおこうち内科クリニック 理事長・院長
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大河内 昌弘

Medical.T 編集部 M.Ito

  • 遺伝子の異常や他の病気、薬剤などが原因となる
  • 基礎疾患が改善すれば適正な血糖コントロールができる場合が多い
  • 薬剤の中止によって改善されない場合は、内服薬やインスリン注射で治療を行う
妊娠糖尿病

その他の糖尿病の基礎知識

遺伝子の異常をはじめ、インスリンが分泌されなくなる膵臓の病気、糖の取り込みが悪くなる肝臓の病気など、他の病気が原因となって糖尿病を発症する場合があります。薬剤が原因となる場合もあり、例えば、ステロイドは血糖値を上昇させる作用があるため、糖尿病を引き起こしやすくなります。これらのように、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病のいずれにも分類されず、遺伝子の異常や他の病気、薬剤の服用が原因となる場合は「その他の糖尿病」に分類されます。

その他の糖尿病の症状

2型糖尿病と同じく、初期の自覚症状はほとんどありません。次第に、のどの渇きを覚える、疲労感や倦怠感を感じる、尿の回数が増える、体重が減少していく、空腹感をよく感じる、切り傷や擦り傷がなかなか治らない、といった自覚症状が出てきます。何らかの自覚症状が見られる時は、糖尿病がある程度進行している場合が多いです。

その他の糖尿病の検査方法

血液検査と尿検査を行い、血糖値を調べます。

その他の糖尿病の原因

遺伝子の異常、インスリンがうまく分泌されなくなる膵臓の病気、糖の取り込みが悪くなる肝臓の病気、血糖値を上昇させる働きを持つ薬剤(ステロイドなど)の服用などが、主な原因と考えられています。

その他の糖尿病の治療方法

◆他の病気が原因となる場合
糖尿病の治療と並行して、大元となる基礎疾患を治療する必要があります。基礎疾患が改善すれば、糖尿病の状態が安定し、適正な血糖コントロールができるようになる場合が多いです。

◆ステロイドなど薬剤が原因となる場合
薬剤の中止によって寛解する場合もありますが、長期の使用や、血糖値が高いまま放置した場合は、中止後も糖尿病が残存する場合があります。少量であれば内服薬でコントロールできる場合が多く、改善が見られない場合はインスリン注射やGLP-1(ジーエルピーワン)注射を行います。

その他の糖尿病の合併症

血糖値が高いまま放置すると、特に眼、神経、腎臓に大きな影響が及びやすくなり、失明や腎不全、神経障害など恐ろしい合併症を引き起こします。さらに、動脈硬化も促進されるため、心筋梗塞、脳卒中などの原因となる場合があります。

その他の糖尿病の予防・対策方法

ステロイドなど薬剤を使用している場合、一時的な高血糖であると油断せず、日頃から適切な食事や運動に気を付けた生活を送ることが大切です。

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