目の病気

目の渇きを感じたら!
ドライアイ

監修・取材協力:柳津あおやま眼科クリニック 院長
眼科専門医
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青山 勝

Medical.T 編集部 M.Hioki

  • 要因としては、環境や加齢によるものが多い。
  • さまざまな要因によって、瞬目数の減少や涙液分泌の低下によって起こる。
  • 目の不定愁訴に総称されるさまざまな症状か起こる。
  • 放置すると、視機能異常も生じる疾患。
  • 加齢の場合は、40歳前後から注意する。
  • 必要以上に目薬を差しすぎない。
  • 予防としては、環境はもちろん、エイジング対策も不可欠。

ドライアイの基礎知識

ドライアイとは、何らかの原因で目を保護する涙の量が不足したり、涙の質に異常が起こり、目の表面が乾いてしまうことです。目の表面が乾くと、目が傷つきやすくなり、充血や痛み、異物感、光が眩しい、目やにが出るなど、さまざまな症状を引き起こします。症状が悪化すると角膜や結膜にも障害が起こったり、視力低下も起こります。
ドライアイは環境だけでなく、加齢にもよるため、40歳以降から発症しやすくなり、性別では女性に多いとされています。

ドライアイの近年の動向

近年は、パソコンなどの画面を見るVDT作業が仕事だけでなく一般的になり、スマホの普及も加わって、ドライアイを発症する人が増えています。インターネットの利便性からすると、外出しづらい高齢者の利用も増えることで、高齢化も加わり、ドライアイ患者数が増加する可能性が懸念されています。
また、メタボリックシンドロームの人は、涙液分泌量が低下していることなど、ドライアイは環境要因だけでなく、ライフスタイルも要因になることが解明されつつあります

ドライアイの症状

目の乾燥感だけでなく、目の異物感や痛み、痒みなどの目の不快感や、疲労感、眼重感、霧視などの視機能異常など、目の不定愁訴に総称される様々な症状を生じます。ドライアイを放置したままでいると視力の低下も起こります。

ドライアイの検査方法

ドライアイの検査としては、まず、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査を使って、目の表面の傷の有無やまばたきの状態などの観察、そして、涙の量を調べるシルマー検査、涙の質と量を調べるBUT(涙液層破壊時間)検査などがあります。
その他には、ブラッシュサイトやインプレッションサイトロジーなど、細胞レベルでの検査や、涙液中に炎症性物質や活性酸素などのドライアイの要因となるものがないかを調べる検査などが行われることもあります。

ドライアイの原因

主に、日常的なライフスタイルなどの環境要因や、加齢によるものが原因とされます。主に長時間のVDT作業やスマホ使用などによるものが、環境要因とされます。

ドライアイの治療方法

基本的には、ヒアルロン酸を含む保湿効果の高い点眼薬と粘膜保護作用のある点眼薬の組み合わせでの治療などの、個々の涙のタイプに合わせた点眼薬によって、機能不足の涙の層をターゲットにする層別治療を行います。点眼薬で効果が得られない場合は、涙点プラグによる涙点閉鎖治療を行います。

ドライアイの合併症

かなりの頻度で「アレルギー性結膜炎」を合併しています。ドライアイがあることで、目の表面が荒れてしまい、通常よりも敏感になってしまっているためです。

ドライアイの予防・対策方法

VTD作業やスマホ使用などを長時間続けて行わない。使用する場合は、こまめに目を休めるように心掛けます。また、目が乾くからといって、やたらに市販の目薬を差すのも禁物です。差しすぎることで目の表面を保護する粘液成分が洗い流されてしまい、ドライアイが悪化する場合があります。眼科で処方してもらった目薬を正しく使用しましょう。
そして、40歳を過ぎたら加齢を意識し、規則正しい健康的な生活をして、ストレス発散や適度な運動など、エイジング対策をすることも抑制に繋がります。

眼球断面図と組織の役割

チェック ドライアイ!

□目が疲れやすい
□目が乾いた感じがする
□目が痛い
□目が赤い
□目がかゆい
□目がごろごろする
□目やにがでる
□目が重たい感じがする
□目に不快感がある
□突然、涙が出る
□光を眩しく感じる
□物がかすんで見える
チェックが5つ以上なら、ドライアイの可能性大!

ドライアイ簡単診断!

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