脂質異常症

LDL(悪玉)コレステロールが多い
高LDLコレステロール血症

監修・取材協力:医療法人大河内会おおこうち内科クリニック 理事長・院長
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大河内 昌弘

Medical.T 編集部 M.Ito

  • LDLコレステロール値が140mg/dl以上
  • 生活習慣の中でも食生活の影響が大きい
  • 閉経後の女性も注意が必要
  • まずは食事療法、運動療法で治療が進められる

高LDLコレステロール血症の基礎知識

肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶLDL(悪玉)コレステロール。高LDLコレステロール血症は血液中のLDLコレステロールが140mg/dl以上と過剰な状態。使われずに残ったコレステロールが動脈の壁に沈着し、プラークというコブができて血管が狭くなり、動脈硬化を進行させてしまいます。

高LDLコレステロール血症の症状

自覚症状がないため、健康診断で指摘されて認識する人がほとんどです。

高LDLコレステロール血症の検査方法

一般的な健康診断で行われる血液検査で調べます。総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値があり、それぞれ基準値を超えているかを確認します。LDLコレステロールが140mg/dl以上の場合は、高LDLコレステロール血症の疑いがあります。

高LDLコレステロール血症の原因

生活習慣病の一つに挙げられるように、生活習慣が原因となる場合がほとんどです。特に食生活の影響は大きく、カロリーの高い食事、レバーやバターなど脂質(動物性脂肪)の多い食事、卵や魚卵などコレステロールの多い食事、糖質の摂りすぎは、コレステロールや中性脂肪を増やし、脂質異常症を招きます。運動不足や飲酒のほか、喫煙によるニコチンもコレステロールに影響することがわかっています。

高LDLコレステロール血症の治療方法

まずは食事療法で数値の改善を図ります。高LDLコレステロール血症の人は脂質が多い食事をしている人が多いため、食生活を見直し、積極的に食物繊維を摂るようにしましょう。食物繊維はコレステロールの吸収を抑制します。
あわせて有酸素運動を中心とする運動療法を行います。効果が見られない場合は薬物治療を取り入れ、コレステロールや中性脂肪をコントロール。薬物治療は、血液をサラサラにし、動脈硬化の改善が期待できます。

高LDLコレステロール血症の合併症

最も多く見られるのが動脈硬化です。さらに動脈硬化から、心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤、大動脈瘤破裂、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞、脳卒中、腎不全、腎硬化症などの疾患へ移行していきます。

高LDLコレステロール血症の予防・対策方法

まずは日頃の食事、運動、喫煙、飲酒など生活習慣を見直してみましょう。脂質異常症は自覚症状がなく病気の状態が分かりにくいため、定期的に血液検査を受けてコレステロールと中性脂肪の値を把握しておくことも大切です。

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