冬の皮膚疾患
赤く腫れてかゆくなる
しもやけ(凍瘡)
監修・取材協力:ごきそ皮フ科クリニック 院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本レーザー医学会認定レーザー専門医
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- 寒暖差による血行不良が原因で起こる炎症
- 手足や指、頬、鼻先、耳たぶなどに発症しやすい
- 子どもや女性に多く見られる
- 真冬だけでなく春先まで要注意
- しもやけの基礎知識
- しもやけの近年の動向
- しもやけの症状
- しもやけの検査方法
- しもやけの原因
- しもやけの治療方法
- しもやけの自宅療法(療養方法、再発防止など)
- しもやけの予防・対策方法
- しもやけのリスクチェック
- しもやけのセルフチェック

しもやけの基礎知識
寒さや冷えによって血管が縮み、血行が悪くなって起こる炎症。手足や指、頬、鼻先、耳たぶなどは、細い血管が集まるので発症しやすい。かゆみが強く、時には痛みを伴うこともあります。真冬だけでなく春先まで注意が必要です。子どもや女性に多く見られます。
【以下の2つのタイプがあります】
●多形紅斑型…大人に多く、赤い発疹や水ぶくれができる。
●樽柿型…子どもに多く、手足全体が赤紫色に腫れ上がる。
しもやけの近年の動向
暖房が行き渡った部屋での生活で、しもやけなど、無縁と思っている人にも、しもやけができる場合があります。通学、通勤時で外気に触れている短い時間が原因の場合も多いです。また毎年できる人などは、体質と思われ、早めに予防をきちんと行う事が大切です。
しもやけの症状
赤い腫れ、かゆみ、痛み、ジンジンするような感覚などの症状が現れ、ひどくなると出血や水ぶくれも見られます。お風呂などで患部を温めると、痛みやかゆみが強くなってしまうのも特徴です。
しもやけの検査方法
視診により診断します。しもやけとよく似た皮膚症状を示す病気に「エリテマトーデス」があります。皮膚症状の他にも様々な内臓の症状を伴うことがあり、血液検査などで詳しく調べることではっきりするため、しもやけを何度も繰り返したり、しもやけの症状が強い人は、皮膚科で検査を受けましょう。
しもやけの原因
気温が4~5度で、一日の気温差が10度以上になると寒暖差が原因で発症しやすくなると言われています。「寒さ」と「暖かさ」の刺激が繰り返されると、血管の収縮や拡張が繰り返され、血の流れに障害が起こり、炎症を起こします。また、手袋や靴下がむれて湿度が高かったり、濡れたまま放っておいた場合も皮膚の温度が下がるため、しもやけを発症しやすくなります。寒さや気温差だけでなく、もともと血行が悪い人や汗をかきやすい人、高齢者にもよく見られ、体質や遺伝も関係していると考えられています。
しもやけの治療方法
ビタミンEの塗り薬が使われます。症状が強い場合や、広範囲にわたる場合、毎冬のようにしもやけを繰り返す人の場合などには、ビタミンEの飲み薬も有効です。
しもやけの自宅療法(療養方法、再発防止など)
患部を温水と冷水に交互に浸けたり、温めながら揉みほぐすことで、血行不良の改善を促します。外出時に防寒具で対策するのはもちろん、水仕事の際はゴム手袋を着用するなど悪化させないようにしましょう。
しもやけの予防・対策方法
しもやけは予防が最も重要です。冬に外出する時は、手袋やマスク、耳当て、帽子、厚手の靴下などの防寒具でしっかりと冷気を避けるように気をつけましょう。また、手洗い後は十分に水気を拭き取り、汗をかいたり、雨・雪などで靴下が湿っていたら乾いたものに取り換えるようにしましょう。血行不良を招く原因となりそうな体を締め付ける衣服は避けましょう。
しもやけのリスクチェック
□ 手足が冷えやすい
□ 冷え性
□ 女性
□ 子ども
□ 高齢者
□ 水仕事が多い
しもやけのセルフチェック
予防・対策はしっかりできていますか?
□ 冬の外出時は防寒具を身に付ける□ 手や足を濡れたままにしていない
□ 体を締め付ける衣類を着用していない
下記のような症状はありますか?
□ 冬に手足がじんじんする□ 手足に赤い発疹が見られる
□ 手足や耳、鼻先が赤く腫れている
□ 入浴時、肌にかゆさや痛さを感じる